昭和前期〜思潮〜小文庫
時枝誠記
1900.12.6.〜1967.10.27. 東京生まれ、国語学者
国語学への道
国語学の研究方法を論ずるという課題であったが、哲学者のように「方法」を直接論じるのは難しいということで、来し方を振り返るというものになった。卒論の一部を参考に含める。
国語学史
岩波講座「日本文学」の1編として執筆された最初の著作、のち単行本として刊行された。単なる言語学ではない日本語学が可能であることを歴史的考察で示そうという意欲作である。
国語学原論
言語過程説をひっさげて、国語学の諸権威に立ち向かった書である。ソシュール批判の面では評価を下げているとしても、「過程」として捉えようという意欲は買われるだろう。岩波文庫に収録された正篇と続篇とを併せた。
日本文法 口語篇
言語過程説に基づいて日本語の文法を構築しようとするもの。既存の文法用語を流用しながら、文法の再編を示そうとする点で、中途に終わったとも見える。
日本文法 文語篇
言語過程説に基づいた日本語文法の文語篇。
中等文法口語編
中学校2年生向けの文法教科書。
中等国文法別記 口語編
口語文法教科書に対する教師向けの注解書。
中等文法文語編
中学校3年生向けの古文の文法教科書。
中等国文法別記 文語編
文語文法教科書に 教師向けの注解書。
言語本質論 時枝誠記博士論文集第一冊(岩波書店刊)
国語学原論に結実する諸論考を集めている。十四論文がある。
文法・文章論 時枝誠記博士論文集第二冊(岩波書店刊)
諸研究:時枝文法の傍証ともなる論功などを収める。十九論文。
言語生活論 時枝誠記博士論文集第三冊(岩波書店刊)
国語の歴史、生活あるいは教育などの側面を見た論文を収める。二十論文。付録の目録は調査した全著述で公開分をすべて示す。
時枝誠記論文拾遺1
上記PDFに収録されていない論文のうち、文法に関連するもの十篇および明治書院刊の『講座日本語の文法』からその目次、講演記録を収録した。
時枝誠記論文拾遺2
戦前に発表された論文のうち、上記PDFに収録されていない論文を集めた。但し不明一件と書籍紹介および別途公開予定一件を除く。
国語問題と国語教育(増訂版)
1949に出版されたものをいくつか入れ替えて1961に出された。国語に関連した時枝の危機意識の表れとも見得る論文集です。
時枝誠記論文拾遺3 ——批判と反論と——
自説への批判に対する反論とその関連論文を集めた。全11論文と3座談会である。但し、批判そのものは公開してよいと断定できるものはなかったので、要旨だけにとどめた。加えて作成者によるコメントを付け足した。
時枝誠記論文拾遺4 ―1946年から53年まで
敗戦後に発表された論文などのうちから、1953年までの27篇の収録されていない論文その他を集めた。但し、この間では採取できない3件があった。
時枝誠記論文拾遺5 ―1954年から62年まで
1954年以降に発表された論文などのうちから、1962年までの28篇の収録されていない論文その他を集めた。但しこの間では、4件が採集できなかった。
時枝誠記論文拾遺6 ―1963年以降
1963年以降に発表された論文などの25篇の収録されていない論文その他を集めた。但し講演記録「言語過程説の基礎にある問題」は編輯が入っているようなので抜粋、他に5件は採集できなかった。
文章研究序説
1960年山田書院刊だが『時枝誠記博士論文集』からテキスト化。
現代の国語学
1956年有精堂刊だが、書肆心水刊( 2018)からテキスト化。
国語教育の方法
1954年の初版と改稿版(1963)を併せて公開する。教育の方法を伝えるのではなく、国語学者としてそれを論じているもの。
古典解釈のための日本文法(増訂版)
1959年増訂版であるが、明治図書出版の教育論集2を底本とする。
国語問題のために
東京大学出版会, 1962、国語問題白書の一つとして執筆されたようだ。今もまだくすぶっているとも言える問題。
橋本進吉
国語法要説
いわゆる橋本文法の一端を示すものだが、時枝文法の前段の意味もあると、ここに載せる。
助詞の研究講義草稿
助詞の研究講義の草稿、著作集第8冊で公開されたうち助詞の部分を取り出した。
助動詞の研究講義草稿
助動詞の研究講義の草稿、著作集第8冊で公開されたうち助動詞の部分を取り出した。
助動詞の分類について
意味・活用・接続から助動詞の分類を試みたもの。
改制新文典別記 口語篇
初級向け文法書の解説。教科書は広島大学の教科書コレクションで公開されている。