昭和前期〜思潮〜小文庫
矢田部達郎(やたべ たつろう):1893.10.24~1958.3.24、心理学者。東京市生まれ、1918東京帝国大学哲学科(心理学専攻)卒業、1920-24留学(主にソルボンヌ大学にて心理学を研究)、1926九州帝国大学法文学部助教授、1944京都帝国大学文学部教授、1957早稲田大学教育学部教授。
意志心理学史
培風館, 1942
欧米学生の得られる圧倒的な量の知見の骨子を、日本の学生に手際よく知らせようと企図された、最初の著作である。対象とした意志心理学史は「世界最初の試み」と自負されている。
言葉と心:心理学の諸問題
盈科舎, 1944
論文集:言葉に関しては日本語固有の問題から、フランス留学時代の言語研究まで収録、強い関心を持っていた事を示す。他に本能説、「大脳と精神」などを収録。
思考心理学3:動物の思考
培風館,1953
人の思考の基礎部分を動物の行動から反照している。その意味で児童の研究と共に必須の研究をなす。(改訂版での戦後の研究は本人の著述ではないので,公開はそれ以前の分だけ)
思考心理学3:動物の思考文献集
動物の心理学 文献
思考心理学史:思考研究史
培風館, 1948
本書では、聯合心理学以降の研究が取り上げられている。思考の実験心理学的研究から、如何にして、思考を「聯合」と捉える見方から離脱して行ったかを詳細に示す。
思考心理学1:概念と意味
培風館, 1948
本書では、心理学者たちが「概念」「意味」というものを捉えるに如何に苦労しているかが分かる。心理学的研究ということの以前に「概念・意味」をいかなる意味に捉えるかという課題が如実に表れている。
思考心理学2:関係と推理
培風館, 1949
本書では、心理学者たちが「関係」というもの、「推理」というものを如何に捉えるかに苦労しているかが分かる。
児童の言語
東京創元社,1956
思考心理学の研究をふまえて、戦後まもなく、若い人向けに研究の心得に触れながら、書かれたものである。論文「子どもの言語能力の発達」を追加。
心理学序説
創元社, 1950
叢書の巻頭 心理学全般を俯瞰し、方法論的視点を以てその内包・外延を示そうとしている。
心理学初歩
創元社, 1951
共著であるので、矢田部執筆分のみを公開する。
心理学の課題
論文集、没後に編纂された。
思考心理学4:比較と抽象
培風館, 1959
多すぎると削除されていた、思考心理学(関係)に追加するべき比較作用、(概念)に追加するべき抽象作用。
思考心理学:文献集
思考心理学1~4に共通の文献集である。底本と変えて独立して公開する
矢田部達郎訳『象徴形式の哲学』
Erst Cassirerの“Die Philosophie der Symbolischen Formen”の全三部を要約し訳したもの。第一巻「言語」、第二巻「神話的思考」、第三巻「認識の現象学」以上を大胆に一冊にまとめている。出版は巻ごとに小冊子風にされたが、矢田部著作集第十巻でもまとめても三百七十頁ほどである。カッシーラーを読んでおきたいが余りに大著であるという向きにはうってつけでしょう。
心理学序説に関連して論文を3題
戦後における青年学生の民族好悪
好性より観たる現代日本学生の世界諸民族品等の一研究
民族好性品等の研究
『児童の言語』に関連する 久保良英氏の著作・ から
愛児良毅の教養(父の思い出)
幼児の言語の発達